人間によるLINEを使った中高生悩み相談の実績と限界を考えてみよう

Robot

ごきげんよう

今回は、人間によるLINEを使った中高生悩み相談の実績と限界を考えてみようと思う。

1. LINEを使った中高生悩み相談

10月10日に更新された「第1028回長野県教育委員会定例会資料」の中に「LINEを利用した子どものいじめ・自殺対策について」という報告資料がある。

この中には8月21日にLINE株式会社と締結し、LINEアカウント「ひとりで悩まないで@長野」を開設し、県内中学・高校生などを対象にアカウントのQRコードカードを配ったこと。
事業の実施内容と結果概要(速報値)が記載されている。

実際に実施した結果としてLINEアカウント経由で多数の相談(547件)が寄せられ、昨年の電話による相談件数(平成28年度 259件)を大幅に上回ったとのこと。

実際に良い事のように感じるが、果たして本当にそうだろうか。

2. わたしが考えたこと

登録カード(LINEアカウント登録のためのQRコードが記載)の配布対象者数は約12万人に対して登録者数は約3,700人。
登録者数が少ないように見えるが、ここで人数が多かったら本当に危機的状況ともとれるので何時でも登録できる選択肢を作ることが重要。

対して「相談アクセス(時間内)数」が1,579件でこれは相談したくてアクセスした件数。
相談対応実績が547件でこれが実際に相談対応出来た件数だ。
つまり、相談したくてアクセスしたけど実際にその場で相談できたのは1/3程度。

相談が時間外だったり混雑時によるものと思うが、別に相談窓口を案内されても窓口に電話をかけない人も居るだろうし、そちらも混雑している可能性がある。

「相談出来ないのか、もういいや……」

相談する側もやはり気力というか力を使う。簡単に相談できないなら諦めてしまうだろう。

よって、相談の2/3は声を拾えなかったというのもまた事実だ。

これは思ったよりも多い。
しかし、相談対応できる人を増やせというのは考えが単純過ぎる。

なんせ、「般社団法人日本いのちの電話連盟」のトップページを見てみると、

一般社団法人日本いのちの電話連盟

2017年9月13日
ただ今、ネット相談が大変混み合っておりお返事にお時間がかかっております。大変ご迷惑をおかけしますが、順番にご返答をしておりますのでお時間がかかってしまいますが、ご了承ください。

となっており、よく見るとインターネット相談はメールによる対応で人が足りていない。
電話でなくメールでも人が足りていないのだよ。

人を増やせば対応できるだろうが、どこまで増やせば良いのか。
そもそも人を増やせば解決するのか。

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3. その相談 AIで対応してみないか

人で対応出来ないなら、AIにさせれば良いじゃないか。

なにも適当な話を私はしているわけじゃない。

AIや機械に相談したくない人も居るかもしれないが、これまで相談対応をされた方が培った「この相談はこういった答え」といったよくある問い合わせを覚え込ませる形で対応することは可能だ。

Q&A|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト

例えばこういった Q&Aを応えられるだけでも有用だろう。
ただ、一字一句同じQ(質問)でないと反応しないなどという低レベルなAIでは使えない。
必ずユーザーの意図を汲んで答えを探そうとしなければならない。

勿論、質問と回答だけを出せば良いわけではない。
直近の世に出ているAIは最初から答えを求めに行き過ぎだ。
人のように気の利いた雑談が出来て、かつ「最近良く眠れなくて……」といった相談にも親身になって応えられる必要がある。

人間は挨拶などの雑談から入り、その後に相談をする。
それがAIでも出来れば人の代わりになるはずだ。
一次相談対応をAIが対応し、それでも解決しない場合は二次相談対応を人間がすることで今よりも多くの悩みを解決できるはずだ。

人に寄り添うAI。
そう、ドラえもんとのび太くんのようにね。

4. 最後に

今回は、人間によるLINEを使った中高生悩み相談の実績と限界を考えてみた。

人間だけで人の悩みを聞き続けるのはもはや限界がある。
人対人の構図を今後は変えていく必要があるのだ。

それでは ごきげんよう

source:
長野県教育委員会ホームページ

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