ごきげんよう
今回は、Android 11では濃厚接触の可能性を検出するシステム(ENS)が標準搭載される件について考えてみたい。
1. Android 11では濃厚接触の可能性を検出するシステム(ENS)が標準搭載へ
Googleは「Exposure Notifications System のアップデートについて 」の記事の中で、Androidの次期バージョン(予定では11)でこのENSを標準搭載すると発表しています。
これにより、ユーザーは利用のために位置情報設定をオンにすることなく利用出来るようになります。ただし、変更はこのENSのみです。
このENSとそれを使ったアプリは端末の位置情報を使いません。ただし、位置情報をオンにする必要があります。
これは、Bluetoothの信号で2台の端末が近づいたかどうかを判断するだけなら位置情報は不要なのですが、この2台のうち片方が固定の場所にある場合、Bluetooth信号をスキャンして検出した場合に端末の位置情報を推測することが出来てしまいます。
記事ではショッピングアプリを例に出しています。
そこでプライバシー観点で位置情報がオンにならないとBluetoothスキャンが行えないようになっています。
source:
Google Japan Blog: Exposure Notifications System のアップデートについて
2. わたしが考えたこと
今回、なんで新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) が必ず位置情報の設定オンを求めてくるのかわかりました。
そもそもAndroidではBluetooth信号のスキャンで変な使われ方をしないようにですね。
なお、COCOAでは仕様書及びプライバシーポリシーで位置情報は取得しないとしっかり記載があります。
また、上記のExposure Notifications System(ENS)の記事でも「この ENS は端末の位置情報を一切利用しません。」と記載されています。
現時点のAndroidバージョンでは位置情報をオンにしないとCOCOAが機能しないですが、「位置情報を取得しているのでは?」と心配する必要もありません。
実際、Bluetoothがオンの状態で位置情報をオフにするとCOCOAからオンにするよう通知が来ちゃいますが、まあ私もちょっと嫌だなと思うことはあります。
ただ、Bluetooth信号のスキャンがBluetoothをオンしただけで動くようにすると悪意のあるアプリが位置情報をオンしてなくても位置情報を推測できる情報を取得出来てしまうというのはやはり制限はかけておくべきだなと思います。
なんだろう、位置情報を使わないようBluetoothを使った結果。悪用の懸念される過去の制限にぶつかったみたいな状態だろうか。
source:
新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) COVID-19 Contact-Confirming Application|厚生労働省
3. 最後に
今回は、Android 11では濃厚接触の可能性を検出するシステム(ENS)が標準搭載される件について考えてみた。
通知には通知の理由がある。制限には制限の理由がある。
それでは ごきげんよう