人月商売の月額定額サービスはいつでも切れるただの下請け会社になってしまうよ

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ごきげんよう

今回は、人月商売の月額定額サービスが増えてきたので考えてみたい。

1. 人月商売の月額定額サービス

月額サービスというのは「サブスク」とも呼ばれ、音楽配信サービスやコーヒー、ラーメンなど色々なところで使われている。
これまでの一括で高額な料金の支払いではなく、低額な料金を継続的に払うことで利用できる。不要になったらすぐに解約も可能。
因みに、月額定額だけど半年とか1年単位の支払いは「サブスク」とは言いにくい。

さて、最近各社のプレスリリースを読んでいるとどこの会社とは言えないが、色々な会社が月額定額サービスを始めている。
月額定額や日額定額で、

・エンジニア・プログラマーの活用
・WEBサイト制作や運用
・デザイン制作
・写真撮影
・映像制作

といったもの。

内容によってしまうけど、1日1万円〜や月5万円〜といったかなり安い料金でサービス提供する形になっている。
会社によっては、最低利用期間を設定していたり、人を「使い放題」と書いていたり様々である。

特にウェブ業界の月額定額サービスが増えているなと感じる。
しかも全てWEBサービスではなく人を使ったサービス。
SIerと一緒に語られる人月商売である。ウェブ業界のSIer化でも起きているのだろうか。
因みに、SIerとはシステムインテグレーション(SI)を行う会社のこと。

2. 人月商売の月額定額サービスが行き着く場所

提供しているサービスは「欲しいときに、欲しいリソースを」である。それが人月商売。
雇った人を稼働させるために、営業がどんどん案件を取り配置していく。まさにSIer。仕事がないとただ稼働しない人が積み上がってしまう。
そして、稼働しない人を出すよりはと安い金額で人を貸し出す。会社に属していながら依頼主の会社の都合に振り回されるのだ。ただの下請け。

さて、この人月商売の月額定額サービスを依頼主側の会社から見ると、幾つかの同じような月額定額サービスがあれば、他に代わりの会社はいるので品質が同じで価格が安い会社にどんどん切り替わっていく。
そう、依頼主は「この値段でこの品質。お得」を追求し始める。なんたってできればコストはかけたくない。

クライアントの価値観によって「品質が高いけど、価格も高い」が求められるか、「品質はそこそこ、とにかく価格が安い」が求められるか変わってくる。
サービスを利用したけど、「品質はもっと低くて良いから値段を安くしてほしい」という依頼主もいるだろう。
そうなると別のサービスに行ってしまう。いや、そうじゃなくても他社の「月いくらでやりますよ!」が現状よりも安ければ飛びつく可能性もある。
もちろん、「品質そこそこ、値段安い」の「値段安い」にばかり目が行ってしまって結局品質の悪いものしか手元に残らない依頼主も居るだろう。

価値観の違いである。

対して、月額定額サービスを提供する側の会社から見ると、
最初から月額料金が決まっているので、無理な人員稼働はしたくない。赤字にしたくない。

しかし、既に立場は依頼主と対等ではない。

案件があって工数を出すわけではなく、月額料金から割り出した工数の中で案件を実行するので、依頼主に要望を押し切られて月額料金を超えた人員稼働になりやすくなる。
「この期間でこの品質なんですか?」と、依頼主は、もっと安くてもっと品質の良いものという際限のない欲望を満たそうとする。
サービス提供側と依頼主との間で問題が起きやすいし、その対応のコストも月額料金に含まれる。

その依頼主による際限のない欲望の先に、
「依頼主が納得する品質」と「依頼主の先にいる顧客が納得する品質」の乖離が発生する。
この程度で良いと思ったら、いつの間にか顧客が減っていたということはないだろうか。

依頼主が社内を見ているのか社外や顧客を見ているのかでも変わってくる。

3. 最後に

今回は、人月商売の月額定額サービスが増えてきたので考えてみた。
最終的には依頼主は自分自身のためではなく顧客のために色々とアクションを行うべき。
これらのサービスとは適度なお付き合いにしておくのが良いと思う。
サービス提供側はマネジメントを失敗すると大変なことになるから気をつけてね。

それでは ごきげんよう

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